久留米シティプラザがオープンしました。
オープンに先駆けて3月初旬、大ホール・中ホールがどのような響きや音響特性を持ち合わせているかを確認する為に客席を満席にして本番さながらの演奏会がありました。前半はピアノソロ、後半はオーケストラという最も親しみのある演奏の形式です。空席と満席の状態ではホールの響きはかなり変化します。空席の時は布地の座面が音を吸収し、満席時ではお客様の洋服や人そのものが音に変化を与えます。音響メーカーの方の説明された後にサイレンの様な音が数回会場内に鳴り響き残響の測定が終了しました。

八尋三菜子さんの演奏

八尋三菜子さんの演奏

さて、次はピアノ演奏です。ピアニストは国内外でコンクールの受賞歴をお持ちの八尋三菜子さん、ショパンの英雄ポロネーズ他計3曲披露してくれました。個人的に何回かお聴きしていますが、お人柄通りの優しく心の籠ったそして緻密な演奏でした。演奏が終わった瞬間「ブラボー」の声が会場に響き渡りました。お客様は小さなお子様連れの若いご家族、高齢の方、新しいホールに関心がある方等様々なお客様がご来場でされていたようでしたのでその「ブラボー」は意外でした。静かな曲の場合はお子様のお喋りや鳴き声は時々演奏に支障をきたしますが、ピアノ演奏が素晴らしかったせいかざわついていた会場のお子様は静かに耳を傾けていていました。

 
久留米シティプラザ4階席からの眺め

久留米シティプラザ4階席からの眺め

最新の設備を備えたグランドホールの収容人数は約1,500名、客席は4階まであります。その4階席は思わず見上げてしまう程の高さがあり、4階席に上がると正に眼下に舞台を見下ろすという表現がぴったりです。1階の後ろ側の客席はと通常の2階席ぐらいの高さになります。この傾斜によってどの席からも舞台が見やすくまたどの席にもしっかりとピアノの音が響くように配慮がされているようです。会場全体は美しいマホガニーの色調で纏われ、ヨーロッパの荘厳な雰囲気が漂うオペラハウスを彷彿とさせます。演奏家なら誰もがこの舞台に立ちたい、是非演奏したいと心を揺すぶられるに違いありません。

 

クラシックから演劇、ポピュラー、日本の伝統芸能や歌等いろいろな催し物が開催され、文化芸術の発信の場として久留米市の新しいランドマークになることを願っています。