今年最初のブログは、昨年の年末に出向きました「メサイア」です。
福岡女学院が毎年12月に実施していますメサイア公演は、福岡市の年末の風物詩といえるかもしれません。今回は創立131周年、34回目のメサイアとなります。
誰もがご存知のハレルヤコーラスは頻繁に耳にしますが、メサイア全曲を聴く機会は一般的にはそうあるものではありません。しかし福岡では幸せなことに毎年聴くことが出来るのです。
年末は何となく慌ただしいため、これまで全曲を聴いたことがありませんでしたが、今回は腰を据えて最後まで聴くことにいたしました。

ポジティブオルガン

ポジティブオルガン

チェンバロやポジティブオルガン(通奏低音を奏でる珍しい箱型の楽器)、弦を中心にした小編成のオケの後ろには270名ほどの大合唱団、荘厳なステージ上からはこれから壮大な音楽が始まるという緊張感が伝わってきます。
指揮は鈴木優斗氏、ソプラノ阿部葉子氏、カウンターテナー藤木大地氏、テノール中島克彦氏、バリトン新見準平氏、それぞれ素晴らしい演奏でしたが、特にカウンターテナーの藤木氏のまるで小鳥が歌うような優しく透明感に溢れる歌声には心が癒されました。

 
約270名の大合唱団

約270名の大合唱団

福岡女学院の現役生と卒業生、九州大学コールアカデミー、歴史ある西南シャントール等総勢270名前後の合唱団の圧倒的な歌声は心を揺さぶり神聖な気持ちに導いてくれる「力」があります。恒例の習わしでしょうか、ハレルヤコーラスが響き渡ると総立ちとはいきませんが、一部のお客様が舞台に向かってお立ちになる姿がありました。東京でのメサイアでは総立ちの場面をよく見かけますが、福岡ではまだまだ浸透していないようです。
大曲でしかも有名な曲ですので、長かったようで短かった2時間30分でした。

 
福岡女学院ハンドベルクワイア

福岡女学院ハンドベルクワイア

演奏が終わるとロビーでは福岡女学院ハンドベルクワイアが、クリスマスに相応しい曲を演奏しながらお客様をお見送りしていました。
研ぎ澄まされた緊張感が漂うピアノ演奏は、時々精神的に疲れてしまうことがありますが、メサイア等の宗教音楽は精神浄化作用があるのでしょう、すっかり精神が解放され、身も心も洗われて会場を後にしました。演奏者は毎年少しずつ変わりますので今年のメサイアも楽しみですが、やはり大曲です。覚悟が出来たら行きたいと思います。