私は、自転車愛好家であると自負しています。これまでも、再三転倒して大小のケガをしてきましたので、周りからは、「もう年なんだから、自転車はやめたら?」と心配する声が聞こえてきます。しかし、全身に風を受ける爽快感や、自分自身の力で動かす達成感による誘惑には勝てず、最近は、ロードバイクで大濠公園を20㎞程度、週2~3回走っています。公園のコース内には、車は走っていませんので、ウォーキングやランニングをしている人にさえ気を付ければ安全です。一方、一般道では様々な危険が待ち伏せていますので、遠出する時などは、ロードバイクより走りに安定感があるマウンテンバイクに乗っています。

旧唐津街道姪浜宿の看板

旧唐津街道姪浜宿の看板

先日、久しぶりに、福岡市西区姪浜周辺までツーリング(サイクリング)しました。寄り道をしながら30㎞ぐらいの行程です。姪浜は、唐津街道の宿場町でしたので、旧道に入ると、100年以上前からの旧家や昔ながらの街並みが残っています。このような街並みを自転車でゆっくり走ると、思いがけない発見があります。

 
旧マイヅル味噌の建物

旧マイヅル味噌の建物

今回のツーリングでは、旧マイヅル味噌の建物が目を引きました。調べると、1830年(文政13年)に建てられた築185年のこの町屋は、唐津街道姪浜宿のランドマーク的存在だったようです。開業当初は、酒蔵として「金盛」という酒を販売し、その後、紆余曲折を経て、昭和21年から平成25年までマイヅル味噌として営業していました。二棟連なった三角形の美しい白壁の建物は、平成18年に福岡市都市景観賞、平成19年に国の登録有形文化財に指定されています。現在では、コンサートや講演会などのイベントに、味噌蔵が利用されているようです。

 
マイヅル味噌の表札

マイヅル味噌の表札

近場の姪浜でも、これだけの発見があるのですから、見知らぬ土地を自転車で走らせれば、その土地の生活や自然を直接肌で感じる楽しさはまた格別でしょう。想像するだけで、童心に帰ることができます。

 

実は、自転車に乗る人たちの間では、自転車をフレームと車輪に分解し、手荷物として電車等で現地に運んでいってサイクリングする「輪行」という小旅行が行われています。私も、以前から興味を持っていましたが、なかなか行くチャンスがありません。いつか実現出来る日を想像しながら、それまでは、日帰りの小旅行をときどき楽しみたいと思っています。