当り前のことですが、ピアニストが変わると同じピアノも様々な表情を見せてきます。
目を閉じて1曲目の出だしの音に耳を澄ませると、いつも聴き慣れているこのホールのピアノの音とは明らかに違う響きがあり、思わず聴き入ってしまいました。
前半のプログラムはショパンのマズルカ、シューマンの「森の情景」、ブラームスの「ピアノのための6つの小品」。どれも好きな曲です。
精緻で研ぎ澄まされながらも優しさに包まれた音は表情豊かで、いろいろな輝きを放つ宝石を音符の上に散りばめたような演奏でした。
自称リシェツキファンだという方が多くお越しになっていて、活動の場が福岡から大阪、東京に広がっていることも納得です。
是非、会場に出向いてリシェツキ氏の素晴らしさを知って欲しいと感じた演奏会でした。