福ビルのヤマハ福岡店入口
福岡天神、福岡ビル（通称：福ビル）のヤマハ福岡店といえば、長年音楽関係者に親しまれ楽器店のランドマーク（シンボル）的存在でした。50年という長い期間、福岡の音楽界を支えてきたそのヤマハ福岡店がアクロス福岡の地下1階に移転し、6月5日に新規オープンしました。「まさか福岡店が移転するなんて」以前ヤマハにお世話になった１人として青天の霹靂、本当に驚きました。
福ビルのヤマハ福岡店1階
楽器業界に元気がなくなったと言われてきて長くなりますが、その間ヤマハも新しい市場政策を打ち出し時代の変化に対応されてきました。その一環でしょうか九州の拠点として博多駅の近くにあったヤマハビルが無くなり、そして福岡の顔であった福岡ビルの店舗も無くなりました。50年間この店で多くの人が働き、多くのお客様との出会いがあり、多くの音楽人生が交錯してきた福ビルのヤマハにもう行くことが出来ない現実は、寂しさや消失感という表現では足りない気がします。
福ビルのヤマハ福岡店1階
メーカーの直営店であった時代のヤマハ福岡店は、小売業以外に市場の情勢を感知するアンテナショップの役目や、新人社員の現場研修の場所としての位置づけがありました。ここで多くの新入社員がお客様対応を勉強して本社、海外へと巣立っていきました。その当時は景気が良い時代でしたので仕事を取り巻く環境も大変恵まれていました。
福ビルのヤマハ福岡店2階
しかし、甘いことは言っておれません。お店は儲けなくてはいけません。現在の楽器業界は厳しくなる一方です。楽器店の体質が利益優先の体制・対応に変わっていくことは必然です。
お客様は変革があると「昔は良かった」と必ずおっしゃいます。良き時代のヤマハの復活は難しいかもしれませんが、福岡の音楽のメッカであるアクロス福岡という素晴らしい場所にオープンしたヤマハのお店が、従来と変わらず音楽関係者のオアシスとなり、常に新しい音楽情報の発信の場所であって欲しいと願うものです。新店舗のご発展を祈念しています。
※ 写真は閉店前日の福ビルのヤマハです。
