言わずと知れた、全国でも有名な博多の屋台。この連休中は、国内外からの観光客が、博多らしさを求め、大挙して屋台に押しかけていました。いくつかの有名な屋台スポットがありますが、個人的には、九州一の歓楽街である中洲を囲んでいる那珂川沿いに立ち並ぶ屋台群がお薦めです。川面に映るネオンの美しさ、川辺から吹いてくる夜風の心地よさ、そして、時折通る屋形船に風流なさまを感じながらいただくお酒や食事は、旅行気分を満喫させてくれるでしょう。
先日、テレビでその賑わいぶりが放送されていましたので、この目で確かめてみようと思い、夕方から中洲界隈へ出かけてきました。中洲の入口に到着したときは、まだ十分明るかったのですが、すでに多くの観光客で周辺の歩道は埋め尽くされ、屋台には、開店前から長い行列ができていました。
屋台前の行列を横目に、人の流れに乗って歩き、程なくしてキャナルシティ博多に着くと、この日も国内外から多くの観光客が訪れていました。ここは、博多エリアを代表する有名な観光スポットで、多くの有名ブランドショップや映画館、劇団四季の公演が頻繁にあるキャナルシティ劇場、そして、全国の有名ラーメン店が出店するラーメン博物館など、多種多様な観光施設が整っています。また、日曜祭日には、地下1階のオープンスペースで、様々なイベントが開催されており、観光客の動員に一役買っています。ちなみに、この連休中は中国雑技団のパフォーマンスがあり、人間離れしたスリル満点の技に集まった観客は大いに沸いていました。
しばらく、キャナルシティ博多の様子を楽しんだ後、再び、中洲の那珂川沿いへ戻ると、どの屋台も満員状態で、行列の外側にもカップルや観光客が遠巻きに囲んでいる様子が見受けられました。また、耳を澄ますと、アジアの国の言葉があちこちから聞こえてきて、屋台周辺は、さながら外国のお祭り会場のようです。
現在、福岡の屋台は、120から130店が存在し、全国の約40%を占めているようです。しかし、都市の発展とともに生活環境も変わってきたため、路上で営業する屋台は、一部の住民の生活に支障を来たし、その営業の在り方に法的な規制が入り始めました。今では、屋台の営業権は、親族以外に譲渡出来なくなり、その存続が危惧されているようです。
しかし、屋台は、多くの市民が認める福岡の主要な観光資源です。そこでは、肩や袖が触れ合い、すぐ仲良くなれるという、独特の雰囲気による楽しさや面白さがあります。
これからも、屋台の文化や風情が、福岡の街に共存していくことを願っています。