附属幼稚園から中学、高校、大学を併設している福岡市の名門、筑紫女学園。
開学は明治40年、今年で110周年を迎えます。校訓は自律(自己への目覚め)、和平(他愛への目覚め)、感恩(生命の目覚め)、浄土真宗の教えを基に人間教育を実施されています。
進学校でもあり、全国的に有名なマラソン等のスポーツも盛んな文武両道の学校です。
その学校から、スタインウェイピアノの購入の件でご相談があると、突然電話が入りました。学校は弊社から歩いて5分程の距離ですので、早々に訪問いたしました。
伺ってみますと、学校の講堂にあるスタインウェイピアノC-227型を、開学110周年にあたり買い替えを検討されているとのことでした。まず驚きましたのは、50年以上も前から大型のスタインウェイピアノが設置してあったことです。音楽科があれば、スタインウェイがどのように素晴らしいピアノか、学内でご認識があると思いますが、50年以上前のことですから、まだまだピアノは高価な楽器で、一般市民には縁遠い存在であったように思われます。やっとヤマハやカワイの国産ピアノが台頭してきた時代に、ドイツの超高級品のスタインウェイピアノを購入された、当時の学校関係者の識見、先見の明に敬意を抱かざるを得ません。その古いピアノは一度大きな修理をされていましたが、スタインウェイだからこそ、現在も使用に耐え得る状況であり、その潜在的な市場価値は高いものがあります。
商談がまとまり、9月に保護者会会長とそのお知り合いの音楽家、そして学校関係者の皆様と、東京にあるスタインウェイ・ジャパンのセレクションセンターまで選定に出掛けました。セレクションセンターの玄関が開きますと、その先には不思議な空間を持った部屋が現れます。周りは全て壁、どこにも出入りするドアらしきものが全く確認できず、一瞬行き止まりと感じてしまいます。部屋にはモダンなモニュメントと、革張りのお洒落な長方形のベンチがあるだけです。この演出は、遠方からお越しのお客様に大変好評で、長旅の疲れが一瞬のうちにスタインウェイへの興味に切り替わります。今回も選定が終わってからも、この部屋の仕掛けに話題が集中していました。
勝手ながら、お客様を現地までご案内し、ご説明させて頂きたいと思っていますので、この部屋の仕掛けについては、秘密にさせて頂きます。
ご選定いただきましたスタインウェイは、10月半ばに無事納品させて頂きました。設置された場所が、音楽ホールのような大変響きの素晴らしい講堂ですので、日々の授業はもちろん、本格的な演奏会も出来そうです。古いスタインウェイが長い間頑張ってきてくれましたので、新しいスタインウェイもこれから音楽の素晴らしさを生徒の皆さんにお届けできることを願っております。
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